ここはアステロイドのJ9基地。
基地のキッチンから、何やらいい匂いが・・・。
ちょっと行ってみましょうか。



「さっ、あとは炊飯スイッチを入れるだけね。・・・ピッ。これでケーキの準備は良しっと。」
キッチンで「銀河簡単料理テヌキガー」と一緒に料理をしているのは、J9基地の台所を守る10歳の少女、メイ・リン・ホー。

「さて、メイちゃん、今度はスペイン風オムレツですよ。」
先ほど準備したのは「炊飯器ホットケーキ」。
材料は、ホットケーキミックス200グラム、卵1個、牛乳140cc。これらを混ぜて、炊飯器に流しいれて炊飯スイッチON!

「次はオムレツっと。卵タマゴ・・・あ、さっき1個使っちゃったからもうあと1個しかないわ。シンに買ってきてもらわなくっちゃ。」
そこに炊飯器からの匂いにつられてやってきたメイの双子の弟、シン・リン・ホーがやってきた。
「お姉ちゃん、いい匂いだね!何ができるの?」
「あー、シン、いいところに来てくれたわ!ちょっとタマゴを1パック買ってきて欲しいの。あと、ケチャップもね。」
「ええー?やだよぉ。これからボウィーさんとビカビカにドライブに行くんだから!」
口を尖らせて、腕組をしながらつま先をトントンとさせるシン。
「じゃあ、ついでに買ってきてよ。チョコレートも買ってきていいから。」
「ええ?いいの???わーい!行く行く!」
「んもう、調子いいんだから。」
メイがお金とカゴを渡すと、シンはチョコレートのことばかり考えながらブライサンダーで待つボウィーのところへと急いだ。
見送ったメイは、まな板の上にたまねぎを置き、電子レンジハンバーグのための準備を始めた。
 

飛ばし屋ボウィーがブライサンダーの運転席に座って待っていた。助手席に乗り込んだシン。
「あンれー?シンってばお金とカゴなんか持って、お買い物でもするの?」
「うん、お姉ちゃんから買い物を頼まれたんだ。タマゴとケチャップとチョコレート。」
チョコレート、のところで嬉しそうに舌を舐めた。
「メイちゃん、頑張ってくれてうれしいな♪もうちょっと大きくなったら、オレちゃん、絶対ほっとかないよー。」
「ボウィーなんかにお姉ちゃんが惚れるわけないじゃん!あっはっは!!」
大口を開けて笑うシン。
「なンにー!?」

ブオーーーーーン!!
ハンドルを強く握り直して、アクセルを踏み込み、さらにスピードアップするボウィー。
シンはシートにしがみついて
「うわーーー!ごめんよボウィーーーーーーー!(フェイドアウト)」


 
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