バラしてしまうぞ(笑)
「その後のJ9」

 山本優さんの小説「銀河旋風ブライガー」は、今までのストーリーを小説化するという陳腐なものではなく、シリーズ後のJ9の行方を追ったものでることは、「放映当時のブライガー」でも書いた。それでは、本当に彼らはどうなるのか?をちょっとバラしてしまおう。それは、この本がもう入手不可能ということもあるし、古本でも出るかどうか・・・・・という懸念があるからである。だから、「今から読むのに!」という人がいたら、飛ばしていただいた方がいいと思う。
 まず、太陽系を離れることを決したJ9は、ラスプーチンのメッセージ通り、太陽系で一番外宇宙に近い「SOLAR10」に向かう。ところが、酷使しまくったブライスターがついに潰れる。漂流に近い形で、SOLAR10の指標となる指標灯台を目指すJ9だが、突然ものすごい光を目撃し、何かが一変に破壊されたことを知る。ポンチョと合流し、ようやく辿り着いた指標ガバロスでドク・エドモンの兄に出会うJ9は、それとともにSOLAR10が「赤縞のクリスタル」という奴らによってこなごなに散ってしまったことを知る。もしかしたら、まだそいつらはその辺にいるんじゃないか?と、皆して脱出しようとするが、この指標もやられてしまった。J9は、エドモンの兄が犠牲になったおかげで、命からがら脱出できたのだ。「赤縞のクリスタル」とは、どうやら目指すバーナード星系のものらしい。ラスプーチンはJ9にバーナード星の仮想地図と、「このままでは太陽系も危ない」という警告を残していた。バーナード星には、一体なにが潜んでいるというのか?
 「復讐してやる!」という意気込み一杯で、ブラザー・エドモンが用意していてくれた新マシンでバーナード星に近づくJ9は、大気圏突入寸前で赤縞のクリスタルに襲われる。個別撃破に出るキッドとボウイー。だがキッドは大気圏での戦いで脱出を余儀なくされ、ボウイーとも離れ離れになってしまう。そして、キッドの試行錯誤の日々が、全く知らない星で始まるのだ。
 バーナード星(アースガルス)は、大陸がアステロイドのように漂流するという厄介な星だった。しかも星人は獰猛ときている。太陽系人のフライ・バイ殖民隊は、どこにもいない。そこでふとしたことから星人に襲われかかった少女を助けるキッド。彼女は、SOLAR10からのフライ・バイ殖民隊の一人だったという。この星では「AZ(アゼ)」と呼ばれる超常的な支配者がおり、太陽系人はことごとくその傘下に入るか、ソドムというゲットー送りにされるか、殺されてしまっているというのだ。「万一のときはソル・ポイントを目指せ」というラスプーチンの言葉を合言葉にしたJ9だっだが、キッドはそのソル・ポイントがテラマータと呼ばれる不動大陸にあることをつきとめ、ローズマリーと共に一方のソル・ポイントを目指す。彼女は、フライ・バイ殖民隊で一足先にこの地に来ているはずの父を探しているというのだ。途中、バーナード星人の攻撃を受けて、ローズマリーは他界してしまうのだが、キッドはその意思を継いで旅を続ける。息絶え絶えになっているところを、「脱走者(デザーター)」と呼ばれる者たちに救われ、ソル・ポイントに辿り着くキッドは、そこでアゼに対する反乱活動を指揮する占師タロターネに出会い、活動に協力しながら他のJ9メンバーたちの消息を探る。しかし、キッドがデザーターたちから知った情報は、この星にはテラマータが二つあり、ソル・ポイントも二つあるということだった。デザーターたちは、西と東に分かれてそれぞれ行動しているという。そして肝心のアゼは、今西のソル・ポイントでなにやら良からぬことを企んでいるらしい。
 タロターネが言うに、アゼはその130年ぶりの生誕祭で太陽系への進出を目論んでいる。放っておけば、太陽系にどんな危機が訪れるとも限らない。西へ向かえ!東のソル・ポイントのソドムで行動しているデザーターたちは、まるで「ベン・ハー」の奴隷時代さながら、船に潜伏して西へ向かった。
 西のテラマータで、キッドはお町と再会する。アイザックたちは、母星アースガルスの伴星、カルオチスから北のデザーターたちと連絡し合っていたというのだ。自分が生と死の間をさ迷っていた間、のんきに構えていたアイザックに怒りを覚えるキッド(笑)だったが、いくらアイザックとてテラマータが二つあることは感知し得なかったことだ。とにかく合流し、アゼを討つ計画を進めなくてはならない。すでに北のデザーターたちは惨殺の目にあっている。アイザックがアゼの計画の謎を解く情報を割り出した今、迅速に行動しなければならなかった。
 しかしポウイーの行方がしれない。お町もアイザックたちも、キッドと一緒だと思っていたのか、誰もその消息を知らなかった。が、ふとしたことでボウイーの好きな歌、「吊し首のジョー」を耳にするキッドは、その歌声をたどって一人の女の部屋にやってくる。彼女が歌っていた歌は、どこで知ったのか?・・・そこにボウイーが現れる。彼は、このイシュタルという女性に頼んで歌を歌ってもらい、いつか見つけ出してもらえないかと思っていたのだろう。イシュタルは表向きは高級娼婦といったところだが、ソドムで敵方の情報を探る諜報員。ボウイーもそれに同乗して、情報機関員を勤めていたというワケだ。
 そんなこんなで再び合流するJ9。西のリーダーであったタロターネの妹、カバローネはその力を使い果たして息を引き取った。そしてアイザックのもたらした情報によって、アゼの正体が明かされる。
 アゼは、アントン・キルケギッチ・グルジーニという男だった。彼は1999年に太陽系惑星委員会の初代会長として、救世主とも言われた男である。しかし、秘密の悪魔崇拝というスキャンダルによって政界を追放された、謎の人物でもあった。アゼは、バーナード星で絶対者として君臨し、自分を追放した太陽系への復讐を果たそうとしているのだ。彼が構築している「光輝殿(グローリー・グレイヴ)」がその武器であるという。
 ソル・ポイントには最初にこの星に降り立った人類が建てたオベリスクがある。これには七層のターレットがあり、アゼの太陽系進出のための宇宙船になるという。誕生祭に執行されるこの計画を阻むため、アゼ本人を目指して突入するJ9。
 だが、ターレットの中枢でJ9が見たものは、「生命の活性霊体(エクトプラズマ)」だった。アゼは太陽系人の霊体を奪い、傀儡にしてしまうことで「バラカーン」という祭司たちを作り出している。彼らの霊体はそうしてアゼに取り込まれ、彼らはアゼの命令を受けて行動する、生ける屍となったのだ。そして、アイザックはその祭司たちの中にラスプーチンの姿を見てしまった!
 キッドがどれほど「幽鬼」にレーザーを叩きこんでも、アゼのプラズマに吸収されるだけで手のうちようがない。「復讐の軍隊はもう太陽系に向けて始動しはじめた」というアゼの声に、引き返すJ9。アゼの侵攻を食い止めねばならない。アゼはそのグローリー・グレイヴで出立してしまった。J9に残されているのは、オベリスクというブラスター・シップしかない。J9はこの最後の謎を解き明かしたタロターネの言葉に従って、アゼを追い、間一髪のところで粉砕する。
 アゼの去ったアースガルスでは、タロターネがその命を使い果たして息を引き取り、キッドはデザーターの中に見つけたローズマリーの父をローズマリーのもとへ案内すると約束した。アイザックはラスプーチンのために小さな塚を作って、亡き友人の霊を弔った。「愛する大地<テラマータ>、わが地球。わが魂を母なる太陽の光のもとへ還らせたまえ」という言葉を刻んで・・・・・・・。
 これからアウトローが跋扈する時代を迎えるアースガルスに、絶好の商売チャンスを見るポンチョをよそに、J9はやれやれというように一息つく。キッドはつくづく一人では生きていけないものだな、なんて言ってもみるが、それでも「はずみもしばらくは考えもの」・・・・・・請負稼業が再開するのにも、少し時間がかかるかもしれない?最後はアイザックの「ちょっとした話なんだが」という言葉に皆ブッ飛びながら終わる。J9も、ちょっとはホリデーしても、いいんとちゃう?なんて微笑んでしまうラストシーンだ。


山本さんは、「ロマン・アルバム」のなかで、J9IIまでの話をやりたい、とおっしゃっていたから、この小説がそうだたのかも知れないと私は思っている。それにしても、まったく妥協のない、おもしろい作品だった。これから太陽系に、色んな惑星海ができて、600年の時を経て「バクシンガー」の時代になるワケだが、これもまたJ9との関係がしっかりしていて、イキでいい。しかもこの600年というのはまさに「徳川幕府」(爆)。J9IIが新撰組なら、その背景も幕末。まったく、山本さんのアタマはなんでそんなに活発なのか(涙)と感嘆してしまう設定だ。
私は「バクシンガー」も大好きだが、バクシンのことは書かない。もっと詳しく知りたい方は、リンク先のチェル様が立派にやっておられるから、そちらを参考願いたい。私が言えることは、バクシンガーもブライガーとは全く違った意味で、人間ドラマの極地だということ。それは、山本さんの言うとおりひとつの「青春」の姿であって、多くの胸をうつこと疑いない。ブライガーの軽さが気に入っているとはいえ、バクシンガーはまた違った若者たちのハナシだ。ぜひ見て欲しいと思う。



 
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